「記者たち 衝撃と畏怖の真実」を見て思い出す2016年作品「スポットライト世紀のスクープ」をもう一度見たい!
映画DJのDJAIKO62です。ラジオの世界をメインに活動をしていますが、紹介しきれないほど映画は好きで見ているので、少しでも作品選びのヒントになればなと思い書いています。
※以前アメブロ時代に書いていたものを再編集してアップしました。
ジャーナリスト魂を感じた「記者たち」を見てふと思い出した作品です。
当時とっても見ごたえがあるなと感じました。
※↓2019年公開、「記者たち」のレビューはこちら!
まずは予告編をどうぞ。
ボストン・グローブ紙が舞台。
タイトルにもなっているスポットライトというのはボストン・グローブ紙内の特集記事のことであり、その特集を担当する記者チームもそう呼ばれています。事実に基づいたお話で、ベースになっているのはボストン・グローブ紙が報じた約600本にも上るカトリック神父による性的虐待記事。監督のトム・マッカーシー自身もカトリック教徒だそうで、さもすればバッシングともとられかねないテーマについて「カトリック教徒として育ってきたのだから教会を理解しているつもりだし、賞賛や尊敬の念はもちろん持っている。バッシングするつもりはない。なぜこのようなことが起きてしまったのか?そして子供への虐待だけでなくそれを隠ぺいしようとした組織ぐるみの悪しき行いがなぜ何十年も横行してしまったのか?」と話しています。
マッカーシー監督のこだわりは役作りやセットにも。
マイケル・キートン、マーク・ラファロ、レイチェル・マクアダムス、リーヴ・シュレイバー、ジョン・スラッテリーらと実在する記者たちとの2ショットの写真はどこか面影や雰囲気が似ていて、それぞれにミーティングや役作りにも関わり、リアリティを追及することにつとめたといいます。また、15年前のオフィスセットも再現が難しかったそう。バッグのような大きな携帯電話、ポケベル、ガラケー、スマホ…と電話ひとつとっても誰が15年前にスマホなんか想像したでしょうか。当時の最先端が並ぶオフィス、そんなセットにも注目し、時代背景を把握するのも映画ならではでしょう。
ちょっと感想。
「意思と責任を持った編集で偏ることなく揺るぎない真実を調査取材し、世に問う」
という、マスコミの姿はメディアの進化変化によって随分と変わってきたのかもしれません。ニュースはインターネットですぐに報じられ、事件はそれを生業としていない人でもSNSなどで発信できるようになりました。目新しいものやセンセーショナルなものの反響が大きければ限られた予算をぱっと世間の注目を集めやすいトピックに投じることになるでしょう。「意義があるから」「ここで自分の媒体が問いかけなくてはならないから」という例えば一人の編集人の思いからどのくらいの取材が走り、記事になり、世の中に出ていくのかはわかりません。当時だからこの熱量で記事実現に向けてチームが一丸となったのかもなぁと、ここ20年ほどの主要メディアのパワーバランスにまで思いをはせる人もいらっしゃるかもしれませんね。
アカデミー賞主要6部門ノミネート、試写会でも行列が出るほどの注目を集めていました。マネー・ショートとあわせて、近年のアメリカの歴史に触れる意味でも見ごたえのある作品だと思いました。(公開当時の感想です。)
DJAIKO62
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